ブランディングから見たビジネスモデル~ストックとフローという考え方
ビジネスの本質は2つに分けることができます。
それはストック型ビジネスと、フロー型ビジネスです。
ストック型とは今流行のサブスクリプションビジネスのように、一旦顧客になっていただいた方から継続して収入が入ってくるなど、ビジネスモデルが一つの資産となっているものです。
もう一つはフロー型で、多くの副業などがこれに該当しますが、単純作業などがメインで一つの仕事が終わると次の仕事を探していくというビジネスモデルです。
ストック型ビジネスモデルを農耕型ビジネスモデルという場合もあります。土地を所有してそこに毎年収穫が期待できる農作物を育てて収益を上げるという意味ですね。
またフロー型ビジネスモデルは、狩猟型ビジネスモデルと言われます。つまり狩りをして獲物がいなくなったらまた獲物を探して場所を移して旅をするというわけです。
さて、ではこの2つの代表的なビジネスモデルをブランディングから考えるとどうなるのでしょうか。
ブランディングとは「〇〇じゃないとだめ」状態を作ること
仕事をやっていて一番やりがいのある時とはどういうときでしょうか。
いろんな答えがあると思いますが「〇〇さんじゃないと無理、お願い!」こう言われて期待通りの成果を上げた時の達成感、充実感は格別ですよね。
一方で、だれでもいい使い捨ての人材としか会社に扱われていなかったり、独立したとしても常に競合他社と価格だけで比較され、せっかく信頼関係ができたと思っていたのは自分だけ。気がついてみれば誰でも良かった自分を発見するというのはしんどいものです。
個人におけるブランドとはこういうことなのです。
よくセルフブランディングという言葉を聞きますが、難しい説明はまったく必要ありません。ただ。と言われる存在になること、「〇〇さんじゃないと無理、お願い!」これが個人におけるブランディングです。
また、商品におけるブランディングも結局同じですね。商品のブランドと言うとグッチやシャネルを反射的に思い浮かべて「かっこいいと思うもの」「憧れ感があるもの」というふわっとした理解をしている方が多いです。
でも、これも「〇〇じゃないと無理、買う!」これだけなのです。
だから、グッチやシャネルのような高価なものである必要はまったくありません。例えば私は関東出身ですが関西在住期間が長かったのでうどんは讃岐うどんが好きです。加ト吉などの冷凍の讃岐うどんをよく買いますが、おつゆを関東風の醤油でというのはいやなんです。
つまり「ヒガシマル醤油の関西風出しじゃないと無理。買う!」状態なんです。
ブランディングとは自分や自社商品を資産にすることである
この「〇〇さんじゃないと無理、お願い!」「〇〇じゃないと無理、買う!」というのは、農耕型ビジネスモデルの例で言えば「土地」なんですよね。
〇〇さんがなにか新しいビジネスを始めました。その時すでに〇〇さんが自分のブランドを築いていたら、新しいビジネスがなんであれ、そして無理して宣伝しなくても、それまでのお客さんはきっと深い関心を持つはずです。
ヒガシマル醤油もそうですね。私のようなファンの場合には、今度ヒガシマル醤油があたらしい調味料を出しましたというだけで、どれどれと自分からスーパーの棚にそれを探したりするでしょう。
つまり、その「土地」の上にりんごを育てようが、みかんを育てようが、またお茶の葉っぱを育てようが、土地さえしっかりしていれば何をやっても収穫物は良いものが取れるのです。
ところがその「土地」を持っていないと次から次へと、獲物を探していかないといけませんよね。当然新しい場所ではあなたのことを知っている人はだれもいません。
極端な話、場所が変わったらこれまでの資産は通用しないので、自己紹介からまた始めないといけません。多くの飛び込み型営業の方が疲れて心を病んでしまうのもしょうがないかな、という気もしてしまいます。
また、新しい商品を作ったにしてもいちからその商品をくどくど沢山の費用を使って広告宣伝しないとダメですね。ヒガシマル醤油なら安心という「土地」つまりブランドがまったくないので、永遠にいちからやり直し営業です。
【まとめ】ブランドという資産を築けばビジネスが安定する
以上みてきたように、安定したビジネスモデルを築くためにはブランドの構築、つまりブランディングが欠かせません。
ブランディングというと、何を何処から手を付けていいのかわからないという人も多いでしょう。
しかし、ブランドとは「〇〇じゃないとだめ」状態を作ることと理解すれば、やることはたくさん見えてきます。
誰でもいい、何でもいいという自分の手からこぼれてどこかに流れていくフロー型ビジネスモデルではなく、しっかりと資産としてストックできる、ストックがどんどん積み重なっていくビジネスモデルこそ目指すべきビジネスの形だと言えるでしょう。
そして、私はそのもっとも効果的な手段が自分のブランドを確立する書籍出版であり、会社のことや自社商品やサービスを熱く語る書籍出版であると考えています。
これについては、また別の記事で書いていこうと思います。